2024年6月7日に発売されたJBLの新作完全ワイヤレスイヤホン「LIVE BEAM 3」を購入したのでレビューする。
- 低域が力強いダイナミックなサウンド
- ノイズキャンセリング・外音取り込みはどちらも高水準
- 全体的に機能性が高い
- クリアな通話音声
- 充電ケースのディスプレイはあまり使わない
- タッチ操作のカスタマイズ性がやや低い
- 2万円台でコスパの良い完全ワイヤレスイヤホンを探している
- ロックやポップス・EDMなど低音にパンチの効いた音楽を楽しみたい
- ノイキャン・外音取り込みはどちらも多用する
2万円台の完全ワイヤレスイヤホンであればこれ一択なんじゃないか?と思える隙の無さに仕上がっている。詳しく見ていこう。
スペック
項目 | スペック |
---|---|
ドライバー | 10mmダイナミックドライバー |
Bluetooth | Bluetooth5.3 |
対応コーデック | SBC、AAC、LDAC、(将来的にLC3) |
ノイズキャンセリング | ○ |
外音取り込み | ○ |
バッテリー | 単体:最大10時間(ANCオン)、最大12時間(ANCオフ) ケース込み:最大48時間 |
充電端子 | USB-C(10分で4時間使用可能) Qiワイヤレス充電 |
マルチポイント | 2台 |
専用アプリ | ○ |
防水性能 | IP55(防水防塵) |
独自機能 | タッチディスプレイ搭載充電ケース フィット感チェック スマートトーク パーソナルサウンドアンプリフィケーション スマートオーディオ&ビデオ 着脱検知 カスタムイコライザー設定 Personi-Fi 3.0 空間サウンド 通話音声イコライザー ボイスアウェア プライベート通話モード |
重量 | 本体;左右それぞれ5g ケース込み:82g |
付属品 | イヤーピース:XS/S/M/L ケーブル:USB-A – USB-C |
発売日 | 2024年6月7日 |
価格 | 28,050円(税込) |
注目したいのはコーデックについては今作でLDACに対応したという点だ。Androidスマホユーザーはハイレゾ音源も楽しめる。
また防水規格はIP55(防水防塵)でそれ以外の機能面もモリモリなので便利さに関しては他のイヤホンから一段階頭が抜けているように思える。
金額は前作に当たるLIVE PRO 2から約1万円アップしておりTOUR PRO 2とほぼ同じ価格帯となった。ハイエンドラインとミドルエンドの垣根が曖昧になってしまった。
- TOURシリーズ:ハイエンド
- LIVEシリーズ:ミドル
いつか登場するTOUR PRO 3で大幅な価格上昇をするための布石なのでは?と勘繰ってしまう。
開封&装着
パッケージ・付属品
パッケージはこんな感じ。
開封用の紐が付いてて引き出して開けるようになっている。中身は上段に本体とイヤーピース、下段にケーブルと各種書類が入っていそうだ。
付属品はこのような感じ。
- シリコンイヤーピース:XS/S/M/L
- USB-C to USB-Aケーブル
- 取扱説明書、保証書など
イヤホン本体・イヤーピースともに耳垢混入防止用のフィルターも装着されていて好印象なのだが、ノズル形状が楕円形なのでサードパーティ製のイヤーピースはほぼ使えなさそうだ。
付属品はこちらで以上だ、続いて本体を見ていこう。
デザイン
本体はこちら。Airpodsと同じうどん型で軸部分はメタリックな塗装がされている。軸上部のグレー部分がタッチセンサーだ。
続いてケースはこちら。まず目を引くのはケース上部のディスプレイ。TOUR PRO 2で導入されたタッチディスプレイ付き充電ケースが搭載されている。
開けると横向きでイヤホン本体が収納されている。取り出しもしやすくて好印象。
背面にはスイッチとUSB-C端子がある。
その横にはストラップ用の穴もあるので鞄などに括り付けることもできそうだ。
サイズ・重量
イヤホンのサイズは”かなり小型”だ。軸部分を省けば小型を売りにしているWF-1000XM5と同じくらい。EAH-AZ80よりは一段小さい。
ケースサイズは競合の商品と比べると標準的なサイズ。タッチディスプレイ搭載でこのサイズ感は優秀だ。
重量はイヤホン単体だとかなり軽い印象だが、ケース込みになると少し重めだ。
- 本体;左右それぞれ5g
- ケース込み:82g
スマホと重ねて持ってみるとこんなサイズ感。
装着感
小型かつ軽量なため装着感は非常に良い。しっかりと収まっている感覚がある。
多くの人の耳に合う形状となっているように思えた。
音質
「LIVE BEAM 3」の音質をレビューしていく。
まず、音の傾向は「迫力重視」の設計になっている。イコライザー設定がフラットなままでもジューシーな低音が楽しめる。
適した音楽ジャンルはロックやポップス・EDMなどが挙げられる。逆に繊細さが求められるクラシックは苦手な印象だ。
迫力が強いものの低音の嫌な刺さりはなく、聴き疲れしにくい適度なバランス感に仕上がっている。
おすすめイコライザー
ロック・ポップス・EDMを聴く方にはこのイコライザーをぜひ試してみてほしい。
- 低音域:-1db
- 中音域:-3db
- 高音域:+3db
デフォルトの低音がパワフルすぎて全体的な音像が曇りがかった印象があるので少しだけ下げ、中音域はしっかり目に下げることで締まりの良いバランスになる。合わせて高域をしっかり上げると抜けの良い伸びやかな音になる。
LIVE BEAM 3のジューシーな低音を活かしつつ、高域をしっかりめに上げることで迫力と抜けの良さを両立させることができる。
ノイズキャンセリング&外音取り込み
ノイズキャンセリングは「そこそこ」
特段強いというわけではないがそこそこ強力で十分に周囲の音量をカットしてくれる印象。
また、低音~高音までバランスよくカットしてくれるためノイキャン状態での特定の音域だけが入ってくる嫌な感じがない。
電車通勤や繁華街でも音楽を問題なく楽しめる。必要十分だ。
外音取り込みも「そこそこ」
外音取り込みもそこそこクリアに聞こえる印象。会話も十分にできるレベルだと感じた。
機能面で言うと、「アンビエントアウェア」「トークスルー」の2つがある。
- アンビエントアウェア:外音を自然な音質で取り込む
- トークスルー:外音を人の声にフォーカスして取り込む + 音楽の音量を下げる
ノイズキャンセリングの状態から、左側のイヤホンを1回タップで「アンビエントアウェア」、2回タップで「トークスルー」に切り替えられる。
そしてこの「トークスルー」がめちゃめちゃ便利。コンビニのレジで店員と会話する時に左側のイヤホンを2回タップすれば音楽の再生が停止され外音取り込みに切り替わる。そして人の声が聞き取りやすいように音の調整もしてくれる。
普段はノイズキャンセリングモードで使用し、会話する瞬間ごとにトークスルーに切り替える運用が便利で気に入っている。
一方で外の音を聞きながらBGM的に音楽やコンテンツを楽しみたいという場合には「アンビエントアウェア」モードの使用が適切だ。
通話性能
マイクの音声はかなり良い。
耳うどん型のおかげで声を上手く拾ってくれているのだろうか、声にフォーカスされた集音がされているように感じた。
またアプリ側で相手の通話音声が聞こえやすくなるようにイコライザーをかけたり、自分の声が耳に入る時の音量を調整したりと、通話面に関しての性能・機能はかなり品質が高いと感じた。
機能性
マルチポイント
2台同時接続のマルチポイント機能はしっかり搭載されている。現代の完全ワイヤレスイヤホンの必須機能。
LDACでもマルチポイントが使用できるのは嬉しいところ。
IP55の防水防塵
防水&防塵対応ということで運動で汗をかいた時や雨に降られた時も故障の心配はない。他社商品だとIPX4相当(防滴のみ)の規格が多いので、LIVE BEAM 3の秀でている一面と言える
IPに続く5が防塵、その次の5が防水を表している。
バッテリー持ち
本体のバッテリー持ちは10時間、ケース込みの時間も48時間ということで十分に長い部類に入る。ケース込みで考えたら3日は充電なしで運用できそうだ。
ただバッテリーは劣化するものなので使用を続けることでこの時間は短くなっていくという点は知っておきたいポイントだ。
アプリはカスタマイズ性高く便利
- ノイズキャンセリングのモード・強度の切り替え
- スマート充電ケースの設定(輝度・ロック画面・通知設定・言語)
- イヤーピースフィットテスト
- スマートトーク(話し声に応じてトークスルーに自動切り替え)
- 自動再生停止設定
- タッチコントロールカスタマイズ
- ハイレゾ設定
- イコライザー設定(プリセット・カスタマイズ)
- アダプティブEQ(低音量EQ・音漏れ補正)
- 空間サウンド
- Personi-Fi(聴力テストに基づいたイコライザー設定)
- 左右バランス・音量上限設定
- 通話音量自動調整
- 通話音声イコライザー
- ボイスアウェア(通話中に聞こえる自分の声を調整)
- プライベート通話モード(片方のイヤホンをマイクのみとして使用する機能)
- 自動電源オフ、自動着信、スマートポーズ設定
- リラックスサウンド
- イヤホンを探す
- バッテリー節約
まずイコライザーに関してはプリセットがそこそこ良い&カスタマイズが使いやすいと感じた。
実際のイコライザー設定に関しては以下の設定をぜひ試してみてほしい。迫力と華やかさを兼ね備えてノリよく音楽を楽しめるようになる。ロック・ポップス・EDMにおすすめだ。
あとは本製品の特徴でもあるディスプレイ付き充電ケースについて、表示する内容や明るさの設定ができる
イヤホンを探す機能がアプリとイヤホンケース両方に備わっているので、イヤホンを失くしやすい人も安心して使えるのではなかろうか。
タッチ操作カスタマイズ
これについては自由度が低い印象。「外音取り込み操作」と「再生操作」を左右どちらに割り当てるかしか変更余地がない。
デフォルトの割り当てに不満がないので構わない。
良いところ
それなりの音質とノリよく楽しめるチューニング
音質は価格相応のクオリティでそれなりに良い。80点というところ。
Momentum True Wireless 4やWF-1000XM5など4万円超えのものと比べるともちろん一段落ちるが、多くの人が満足できるラインだと思う。
チューニングも低音の迫力が印象的でポップスやロック、EDMをノリよく楽しめる。高音の広がりがやや弱く感じるのでイコライザーでしっかり持ち上げて使用するのがおすすめ。
必要十分なノイズキャンセリング・外音取り込み
ノイキャンと外音取り込みについても同様に80点というところだ。十分に使えるし物足りなさは感じない。
ノイキャンに関しては低音~高音までバランスよく抑えてくれるので違和感も少ない。外音とりこみはクリアさ自体はそこそこだが「トークスルー」モードが日常使いにおいてはとても便利。
ただ、切り替えのスピード感は今ひとつなのが少し残念ポイント。
充実した機能面
- マルチポイント(2台)
- IP55の防塵防水
- 単体最大10時間のバッテリー持ち
- 便利なアプリ
- ディスプレイ付き充電ケース
機能面は文句なしだ。
特にバッテリー持ちと防水性能は素晴らしい。そのほかも必要なものは十分に揃っているしディスプレイ付き充電ケースという付加価値もある。
気になるところ
充電ケースのディスプレイは正直使わない
購入して2週間ほど使用したが、今のところケースのディスプレイには恩恵を感じてない。
画面の動作自体がややもっさりなのと、コンテンツのほとんどが常に手に持っているスマホで完結するため、ケースに機能が備わっていてありがたいと思うことは今のところない。。・
慣れてないだけな気もするので、もう少し使い込んでいくと考えが変わってくるかもしれない。
まとめ|必要十分、2万円台の完全ワイヤレスはこれが最適解
まとめると、音質・ノイキャン・機能性のどれをとってもかなりクオリティが高く隙の無い印象だ。いずれも最高水準というわけでは無いが普段使いとしては必要十分な機能を果たしてくれるだろう。
- 低域が力強いダイナミックなサウンド
- ノイズキャンセリング・外音取り込みはどちらも高水準
- 全体的に機能性が高い
- クリアな通話音声
- 充電ケースのディスプレイはあまり使わない
- タッチ操作のカスタマイズ性がやや低い
特に個人的には「機能性の高さ」が魅力的に感じた。
具体的には「トークスルー」モードやバッテリー持ち、カスタマイズ性が挙げられる。全体的に使いやすさの面は他のメーカーより秀でているポイントだ。
ディスプレイ付きケースは今のところ特に役に立った感覚はないが、便利そうな感じはする。
- 2万円台でコスパの良い完全ワイヤレスイヤホンを探している
- ロックやポップス・EDMなど低音にパンチの効いた音楽を楽しみたい
- ノイキャン・外音取り込みはどちらも多用する
以上参考になれば幸いだ。
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